by hidemaro2005
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今回の大震災では、あらためて「津波」の恐ろしさを実感した者も多いと思う。かつて一時、津波警報が出たときに、わざわざ「津波見物」に行ったバカ者が多くいたが、その恐ろしさを思い知って、二度とそんなことをしてはいけないことがわかったはずだ。本当に自然をなめてはいけない。
日本海側の津波被害と言えば、平成5年(1993年)7月の南西沖地震を思い起こすが、その前にも秋田県沖の地震でも津波被害があり、思う以上に日本海側でも地震被害や津波被害は起こっている。 日本海側の町に点在する古刹に、「洪波慰霊碑」と銘打った供養塔が点在する。江差の正覚院や法華寺、熊石の無量寺。そして松前の無縁寺の供養塔は道指定文化財にもなっている。洪波とは、津波の事である。これらの慰霊碑は、今から270年前の寛保元年(1741年)7月に日本海一帯を襲った「寛保大津波」の犠牲者の供養のために作られたものである。 この津波は、地震によるものではなく、松前沖約50kmに位置する「渡島大島」の大噴火に伴う山体崩落によって引き起こされた空前の大津波であった事がわかっている。松前藩の「福山秘史」および、弘前藩の藩庁日記や御国日記による概要は、次の通りだ。 寛保元年(1741年)7月19日、午前6時から8時までにかけて、熊石をはじめとした渡島半島西岸一帯から津軽半島、佐渡にいたる日本海沿岸に大津波が襲い、その津波は朝鮮半島にまで達したという。松前藩の記録だけでも死者1,236人 、流失家屋は729軒と伝えられている。近世北海道では最大の自然災害であったと言われている。 その規模は記録では最大15mほどの高さであるとされているが、たとえば、松前藩の家老蛎崎広長の撰による「寛保津波と渡島大島噴火の圖」(函館中央図書館蔵)によれば、その津波は石崎村にあった「比石館」が波に呑まれている様子が描かれている。上ノ国町石崎にあるこの遺跡の標高は23mあるから、津波の高さは少なくとも20mは超えていたことがうかがわれる。また、最近の海底地形調査で判明した大島の山体崩落の規模は、海面下まで長さ5キロ、水深1,100m付近まで広がり、山頂から15km先の水深2,000mまで続いていたのである。その崩壊量は、札幌ドーム1,900杯分、3立方㎞とされる事から、場所によっては40mを超える津波が襲った可能性がある。 災害は忘れた頃にやってくる。津波=地震という図式はある意味定着したかも知れないが、こういった火山噴火でも津波は起こる。この世に「想定外」などはあり得ない。そもそも「絶対安全神話」などは存在せず、そこには「人間の驕り」だけがあるのだ。われわれは大自然にもっと謙虚になり、適切な「畏れ」を持ち続けるべきなのかも知れない。 頑張れ東北 お気に入りいただけたらお願いします↓ にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村
by hidemaro2005
| 2011-06-02 23:25
| 函館・道南
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