by hidemaro2005
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何故だかその頃私は見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられたのを覚えている。風景にしても壊れかかった街だとか、その街にしてもよそよそしい表通りよりもどこか親しみのある、汚い洗濯物が干してあったりがらくたが転がしてあったりむさくるしい部屋が覗いていたりする裏通りが好きであった。雨や風が蝕んでやがて土に帰ってしまう、と言ったような趣きのある街で、土塀が崩れていたり家並が傾きかかっていたり――勢いのいいのは植物だけで、時とするとびっくりさせるような向日葵があったりカンナが咲いていたりする。 梶井基次郎 「檸檬」より その昔、文学作品のフレーズに写真を合わせるといった全集が多く出ていた。来る日も来る日も記録写真に明け暮れていた私は、その情緒的な写真にものすごくあこがれていたものだった。美しい写真と文学作品のコラボは、ある意味第三の芸術とも呼べるものだろう。今でも私には本当に憧れな世界である。 さて、梶井基次郎。この作家は私がはじめて「難解」と感じた作家である。と、同時に、自らの何を寄る辺にしていいのかわからないという「漠然とした不安や不満」を見事に表現していた作家だった。 意味はわからないのだが、何故か惹かれる感覚 これが梶井基次郎の作品だった。最初に衝撃だったのは「愛撫」という作品だ。猫の手を切り取ったのだという比喩とも現実ともつかない世界に虜になった。そして「檸檬」だ。 答えのないデガダンな学生時代、この文章に魅せられた覚えがある。 人は誰が見ても美しい絵はがき的なものには、例外なく美しいという。だが、誰もが捨ててしまうものの中に、美しいものは実はあるのではないのか? だから、時々滅び行くものとか、雑多なマチとか、廃墟のようなものにものすごく惹かれることがある。そして、それが何よりも美しい光を放っているのだ。 そんな観点にはじめて立てたような、結論ではないが入口に連れて行かれたようなそんな世界だった。 こういう世界を、今で言えば、桑田佳祐あたりが表現している感じがする。 双方に共通しているのは、「言葉あそび」というおもしろさを無条件に感じさせるところなのか・・・。つまり、意味はあるが意味はない。リズムがそこにあるんだね。という分析しか未だできない。 にほんブログ村
by hidemaro2005
| 2011-01-26 01:14
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