by hidemaro2005
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今回は温泉の話です。函館市内にはたくさん温泉がありますが、この温泉はいったいどこに熱源を持って涌いているか、考えたことがありますか?と聞いたら、また、そったらヒマなこと考えるわけねえべ~ (ゞノ・∀・) ナイナイ と、ツラツキされるかもしれません。
まぁ、古くからの函館の温泉と言えば、やっぱり湯の川温泉があげられます。函館の「奥座敷」として、古くから親しまれています。歴史も、松前藩の殿様が湯治したり、五稜郭を占拠した、榎本武揚や土方歳三も通ったと言われます。 湯倉神社に伝わる縁起によれば、その始まりは元和3年(1617)にはすでに湯座があり、薬師仏が祀られていたとあります。また、承応2年(1653)には9代藩主が幼少時に湯治して病気が治ったという藩の記録もありますから、そうとうに由緒正しい温泉なわけです。 まぁ、湯の川温泉そのものの話は、後のネタにとっておくとして、函館には、湯の川温泉のほかに古い温泉がもう一つあります。函館山の山麓にある谷地頭温泉です。谷地頭は、実は函館山の古い火口であることがわかっています。したがって、谷地頭温泉は函館山を作ったマグマを熱源とした温泉であることが想定できます。その昔あった蓬来温泉や函館温泉も同じような茶褐色の食塩泉が特徴です。谷地頭温泉の「浅田楼」といえば、戦前ではちょっとした行楽地で、湯の川温泉と肩を並べていたほどです。 さて、湯の川温泉に話を移すと、湯の川温泉の主な泉質は塩化ナトリウム炭酸泉。過去には「単純食塩泉」と呼ばれる泉質で、そもそもは自噴泉でした。この泉質は火山由来のものであるわけですが、さて、不思議なことに、湯の川温泉の熱源は函館山マグマ由来のものとは違うようなんです。つまり、泉源が根崎方向に集中しているので、函館山のマグマとはどうも別物らしい。かといって、地熱由来にしては炭酸ガスが多すぎるし、だいいち泉源が浅すぎる・・・という事で、湯の川近辺のどこかに別の火山がないと説明が付かないわけなんですね。 また、函館空港の台地や、千代ヶ岱、五稜郭から杉並町にかけての小台地が広がっているんですが、この由来がわからない。この地層は、学術的には「銭亀沢層」と呼ばれている地層なんだそうですが、砂やごつごつした砕石が重なっている感じの火山灰の層なんだそうです。この火山灰はどこの火山のものかは長く謎で、駒ヶ岳とか、函館山とか恵山とか、はたまた恐山とか、いろんな説があったんです。だけど、年代的にどうしてもつじつまが合わない。つまり、結論を言うと、今から5万年前くらいに湯の川近辺に大きな火山があって、大量の火山灰と火砕流を発生させた噴火の事実がないと、この地層成立の説明が付かないんですね。ちなみに函館山の噴火は90万年前くらい、横津岳なんか250万年前くらいの火山だ。駒ヶ岳や恵山なんかは初めての噴火自体が、せいぜい1~2万年前だから逆に新しすぎます。 ( ̄Д ̄;)ノノ・・・ソンナヤマナンカ、ドコニアルンジャ・・・ 1980年代に、ある地質学者さんが、実は、汐泊川の河口に、水没した「海底火山」が存在することを調査の結果、論文発表しました。それが、「銭亀沢カルデラ」です。そのセンセイによると、汐泊川の河口約2キロの沖合の海底50㍍に、大きさ的には函館山を逆さにしたくらいの大きさの「すり鉢状のくぼみ」が確認され、それが5万年前くらい前に噴火した爆裂火口である可能性がかなり高いと言うことなんですね。 ただ、この火山噴火がもし海底火山のものだとしたら、「銭亀沢層」のような砕石層にはならないんだそうです。つまり、この地層は「火砕流」であり、地表の火山噴火でしか起きない現象だからです。・・そうなると、銭亀沢カルデラの火山噴火は地上で起こったことになりますし、この地層の噴出物は実は日高や十勝地方でも堆積が確認されているそうなんです。となると、銭亀沢カルデラの噴火は、海底火山の噴火ではない事になります。 そうなると、地球規模ロマンです。実は、この火山が噴火したのは約5万年前、地球上は「氷河期」だったんですね。津軽海峡も地続きで、マンモスが行き来していた時代。海岸も今より100㍍は下にありました。だから、海底下50㍍の銭亀沢火山は、実は海岸にできた火山だったのでしょう。地層の重なりから見たら、海水を巻き込んだ水蒸気爆発でさぞや相当規模の大爆発で山体自体が吹き飛んだのかも知れません。そして、その残滓が銭亀沢層で、まだ熱を残している銭亀沢カルデラのマグマが、湯の川温泉の熱源になっているのだと考えられます。だから、湯の川温泉は銭亀沢火山由来の温泉だと言うことです。 また、函館山の陸繋島生成も、じつは、この銭亀沢層抜きには成立しなかったとも言われています。まさに、隠れた「函館の母なる火山」が銭亀沢カルデラなのかも知れません。 頑張れ東北 お気に入りいただけたらお願いします↓ にほんブログ村 にほんブログ村
by hidemaro2005
| 2011-10-19 22:14
| 函館・道南
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